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私立幼稚園・学校経営の皆様へ  消費税対策はお済みですか?
〜改正消費税の実施について〜

平成15年度税制改正により、平成16年4月1日よりいよいよ改正消費税が実施されました。

今回の改正に伴う『免税点』の引き下げにより、平成16年4月1日以後開始する課税期間の基準期間における課税売上高(平成14年4月開始事業年度)が1,000万円を超える事業者は消費税の納税義務を負うことになります。

消費税法では、学校教育(授業料または入学検定料等を対価とする教育)に関する役務の提供について、社会政策的配慮により一定の要件の下、非課税と規定しております。
しかしながら、学校教育に付随する各種役務提供の中には、法人税法と異なり消費税法では課税対象となるものが存在しております。

現在運営されている幼稚園・学校も、こうした課税対象となる付随的サービスの合計額によっては、今後消費税の納税義務者となる可能性が低くはありません。幼稚園・学校を経営されている場合、4月1日開始事業年度の場合が主だと考えられますので、既に消費税に対する何らかの対策をされていることと存じますが、注意しなくてはならない論点についていくつかご紹介しますのでご参考下さい。

消費税法上、課税売上となるもの (例外含)

役務提供の種類 消費税法の取扱 法人税法の取扱(参考)
給食事業 課税売上
学校教育と切り離せない事業形態であるが、現行法上は教育に価格役務提供と認められない。
ただし、通常の授業料に含めて徴収しているなど、明確に分離することが困難な場合に限り非課税売上となる可能性がある。
非課税売上
学校教育の一環であるので、収益事業には含まれないと考えられる。
スクールバスの運行 課税売上
給食と同様、学校・幼稚園運営において今や欠かすことの出来ないサービスであり、当然学校教育と密接なつながりがあるのだが、現行法上は教育と切り離された取扱となる。
ただし、全生徒がバスを利用している等の前提において、バス運行も通常の授業料に含まれ、明確に分離できない場合や、バス運行のサービスは無償と考えられる場合においては、非課税売上との解釈の余地がある。
非課税売上
生徒の通学を目的とした運行であるならば、学校教育の一環となるため、収益事業には含まれないと考えられる。
未就園児の保育事業 課税売上
保育施設の不足や、地域からの強い要請などで就園前の児童を預かるケースが少なくないが、消費税法上は、非課税の対象とならない。
ただし、幼稚園が『認可保育所』の適用を受けた場合(今後設置が増えると考えられる)には、社会福祉事業として非課税売上に該当する。
単に、教室や施設を開放しているに過ぎない場合には、収益事業と認定される可能性が高い。
教材等の販売 課税売上
学校教育法に規定する教科用図書の譲渡は、消費税法上非課税となる。但し教科用図書の範疇に、幼稚園で使用するものの定義がなされていない。
その他工作用の教材等についても教育上欠かせないと考えられるが、課税売上に該当する。
学校指定の教材であり、学校教育の中で使用するものであれば非課税売上と考えられる。
その他の教材については、物品販売として課税売上になるケースが多い。
体育教室
音楽教室
   その他
課税売上
課外授業として行われる体育教室・音楽教室なども、消費税法上は学校教育と切り離して考えられる。
ただし、選択授業として授業料に上乗せして徴収している場合は学校教育の一環として非課税売上となる。
また、他社が主宰する教室に施設を貸した場合には課税売上となる。
体育教室については、法人税法上、『技芸の教授』に該当しないため、非課税売上となる。
音楽教室については、法人税法上、『技芸の教授』に該当するため、課税売上となる。但し、選択授業として授業料に上乗せして徴収している場合には非課税売上となる。

 

消費税法上、非課税売上となるもの (例外含)

役務提供の種類 消費税法の取扱 法人税法の取扱(参考)
授業料 非課税売上
授業料・保育料・教育費・学習費・指導料・補習料・聴講料・実験実習料・演習料・実習料・学部教学費・教育充実費・教職課程履修料・試験料・再試験料・追試験料 等

大学公開講座は課税売上となる。
非課税売上
入学検定料 非課税売上
入学検定料・検定料(聴講生・研究生)

公開模擬学力試験にかかる検定料は課税売上となる。
非課税売上
入学金 非課税売上
入学金・入園料

非課税になる学校の要件を満たしていないものの入学金は課税売上となる。
非課税売上
施設設備費 非課税売上
施設設備費・施設設備資金・施設費・設備費・施設拡充費・設備更新費・拡充設備費・図書館整備費・施設充実費・設備充実費・維持整備資金・施設維持費・維持費・図書費・図書拡充費・図書室整備費・暖房費 等

スクールバス利用者から徴収する「バス運営維持費」は施設設備費に該当せず、課税売上となる(上述の通り)。
非課税売上
在学証明等手数料 非課税売上
在学証明書・卒業証明書・卒業見込証明書・成績証明書・健康診断書・転学部(科)にかかる検定手数料・推薦手数料 等
非課税売上
延長保育料(預かり保育) 非課税売上
課外授業としての延長保育料については学校教育の一環として非課税売上となる。
非課税売上
満3歳児入園 非課税売上
満3歳児の教育については、学校教育法の観点からも、非課税売上となる。

但し、先述の通り未就園児保育については、幼稚園事業の対象からも外れることから課税売上となる。
非課税売上

以上、駆け足で述べてまいりましたが、法人税法と消費税法の矛盾に対し、疑問を感じる点も少なからず存在するため、今後制度の改善を求める動きも大きくなっていくと考えられます。しかしながら、現行法の指示に拠った場合の「適正な処理」を行っていかなくてはならないのもまた事実です。
今後の慎重なご検討をお願い申し上げます。


この他、ご不明点がございましたら、中野会計( info@nakanotax.com )までご連絡ください。

 

  

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最終更新日 : 2004/04/09